X31へのFreeBSDインストール下ごしらえの確認
WindowsXPのサポート終了に伴い、Windows8の要件を満たせないノートPC、X31へFreeBSDを導入してReplicator2Xの制御端末とする計画実行に移し前回までに下ごしらえが整った。いよいよ今回はFreeBSDをThinkpadX31へインストールしていくが、その前にX31をXPで立ち上げてもう一度、AccessIBMからセカンダリIDEアダプターが”使用しない”となっていることを確認しておく。これが”使用する”となっているとドッキングステーションを接続したときはFreeBSDがbootできるが、ドッキングステーションから取り外すとbootできない。これを”使用しない”に設定していてもドッキングステーションは問題なく使用できるので心配ご無用である。これが確認できればあとは普通にFreeBSDをインストールするだけだ。
FreeBSDインストールUSBメモリーの作成
ちょっと前まではOSのインストールにはISOイメージをダウンロードしてCDに焼いてからブートするという手順を毎回踏んでいたのだが、ふと気が付くと最近はUSBメモリーからブートできる機器があふれている。X31は10年前の機体だが、USBブートできるのだろうか。答えはYESだ。USBメモリーを差し込んだ状態でBIOSのメニューから確認すると、USBメモリーはBIOS上ではHDDと同じ扱いとなっておりスタートアップメニューからブートドライブとして指定が可能なのだ。ならばCDにイメージを焼きつけるよりも、何度でも書き換え可能なUSBメモリーへイメージを書き込む方が気が楽だ。今回はUSB接続のカードリーダーに、昔携帯電話に入れていたが現在では使用用途を失った2GBのmicroSDカードを入れて、そこからブートさせインストールを行った。
まずは、FreeBSD10の32bit版のインストールメディアのイメージファイルを入手しなくてはならない。FreeBSDのFTPサイトから、FreeBSD-10.0-RELEASE-i386-memstick.imgをダウンロードする。メモリースティック用のブートイメージが用意されているのだ。ありがたい。これを、Win32 Disk ImagerをつかってUSBメモリーに書き込む。これでインストールメディアの完成だ。
USBメモリーからのブート
インストールイメージを書き込んだUSBメモリーを、X31の本体に差し込む。その状態で電源を入れ、IBMのロゴが表示されている間にF1キーを押す。
“Entering IBM BIOS Setup Utility”と表示されていれば、そのあとBIOSの設定画面へ入ることができる。そこから”Startup”メニューを選択する。
さらに、”Boot”メニューを選択。
“+Hard Drive”にカーソルを合わせてEnterキーを押すと、内臓HDDと、接続してあるUSBメモリーが表示されるはずだ。今回はHDDが”Hitachi TS541680J9AT00-(PM)”、USBメモリーが、”Generic- SD/MMC-(USB)”となっている。デフォルトではHDDが上に来ているので、”Generic- SD/MMC-(USB)”にカーソルを合わせてF6キーを押すことで、USBメモリーを上にして優先度を上げておく。
この状態でEscキーを連打してBIOSの設定画面を抜けると最後に設定をセーブしていないぞ!と怒られるので、”Yes”を選択して変更した設定を保存する。
そのまましばらく待てば、USBメモリーからFreeBSDのブートローダーが上がってくるはずだ
FreeBSD10のインストール
ここからは、FreeBSDのインストーラーさんの指示に従っていけばよい。まずは”Welcome”と歓迎されるので、”Install”を頼むよ。と応じる。
キーマップはJapanese 106を選択する。気に入らなければインストール後にrc.confを書き換えていつでも変更できる。
同じ画面の一番上の”Continue whith jp.106.kbd keymap”を選択してEnterを押すと次へ進む。一つ下の”Test jp.106.kbf keymap”を選ぶと、キーボードの入力を表示させて選択したキーマップがあっているかどうかテストすることができる。
続いてホスト名を決める。端末にかわいい名前を付けてあげるといい。解かりやすく、かつ愛着の持てる名前を考えるのはなかなか難しい。FreeBSDインストール一番の難関である。
次に無くてもいいけど、あったら便利な者たちをインストールするかどうか選ぶ。portsだけ選んでおけばいいと思う。
インストールするディスクを自動でパーティションを区切ってもらうのか、手動で区切るのか、shellを開いてコマンドラインで区切るのか、自動的にZFSを設定するのか、を選択する。自動で区切ってもらいたいので、”Guided”を選ぶ。
どのディスクにインストールするか選ぶ。ada0がHDDで、da0はUSBメモリーである。HDDは80GBのはずだが、前回HPA領域をリストアしたので71GBになっている。勿論HDDを選ぶ。
ディスク全体を使っていいのか、それとも他のOSがあるならパーティション分けてインストールするけど、どうする?と聞かれるので、”Entire Disk”を選択し、Disk全体を使っちゃってよ、と頼む。HPA領域はBIOSレベルで保護されており、FreeBSDからはその存在すらうかがい知ることができない。遠慮なく”Entire Disk”を選択してもHPA領域が消えてしまうことはない。
すると、ada0がMBRではなくGPTで管理され、64KBのboot領域と、3.9GBのSwap領域のほか、残りのすべてをルートにマウントしてしまうという大胆な区分けになっているのが分かる。今回はサーバではなく端末としての利用なのでこれでいい。
するとどうでしょう、自動でチェックサムをチェックして
アーカイブが展開される。
その後、ルートのパスワードを決定する。
続いてaht0、無線LANの設定を行う。
自動で周囲のSSIDを拾ってくるので接続したいものを選ぶ。
パスワードを入力する。
IP4の設定をするかどうかを聞かれる。我がネットワークはIPv4なので”Yes”を洗濯する。
DHCPでよいか?と聞かれるので”YES”を選択する。サーバーではなく端末として使用するので、今のところ固定IPを振る予定はない。
IPv6の設定をするか?と聞かれるので”No”と答える。今のところIPv4で事足りているのだ。
DNSのアドレスを指定する。
タイムゾーンはUTCでよいか?と聞かれるので”No”と答える。
リージョンを尋ねられるので”Asia”を選ぶ。
国を尋ねられるので”Japan”を選ぶ。
‘JST’でよいか?と聞かれるので、”Yes”と答える。
起動時に実行されるデーモンを選ぶ。このあたりも後からrc.confで簡単に変えられるのであまり悩む必要はないだろう。ノートPCなので電池長持ちになることを期待してpowerdを追加しておく。
ユーザーを追加するかと聞かれるので”Yes”と答え、一般ユーザーを追加しておく。
ユーザー名やらなんやらかんやらを決める。デフォルトから変更すべきは、rootへsuできるようにするためユーザーグループに”wheel”を追加し、さらに電源管理もしたいので”operator”も追加する。あとはパスワードを設定すればよいだろう。
インストールは終わりだが、シェルを開いてコマンドで追加設定をするかと尋ねられるので”No”を選ぶ。追加設定はインストール完了後にログインしてゆっくりやればいい。
リブートしてインストールの完了だ。
そして、デスクトップ環境の構築へ
FreeBSDのインストールが完了したので続いてはデスクトップ環境の構築である。今まではwebサーバーにするためにミドルウェアを入れるのみだったが、今回はサーバーではなく端末である。デスクトップ環境としてXサーバーを導入する。しかし、今回もまた記事が長くなってしまったので続きは次回に譲ることにする。ReplicatorGの起動まであと何個の記事を経るのか!?斯うご期待。