ビルドプレートがフラットじゃない疑惑
快調に3Dプリンタ生活を送っていたが、最近ビルドプレートから造形物が剥がれるため、頻繁にビルドプレートとノズルの先端の間の調整をしなければならなくなった。調整すれば剥がれることなく出力できるのだが、その頻度が多くなってきている。しかも剥がれるのはいつも特定の場所だ。それに加えてレベリングを行う場所によって、左右のノズルの高さが違う。ビルドプレートとノズルの間に厚さ0.1mmの紙をはさんで少し引っかかるくらいに調整するのだが、左と右の引っかかり具合がプレートの箇所ごとに、ことごとく違うのだ。最初は、ビルドプレートが水平でないためにそうなっているのではないかと思ったが、しかし更に試していると、プレートの場所によって左が遠い場所、右が近い場所があるような気がしてきた。全体的に中央が高く、両端が低い。そのような疑念を抱くと、ビルドプレートを支えるアームはABS樹脂でできており、これもプレートを支えるにはあまりに脆弱な気がしてきた。あくまで、そんな気がするという話だが。
加えて、Replicator2Xのビルドプレートにカプトンテープを張替えるとき、ボックスの中に手を突っ込んで行うのだが、どうも一人でやるのは骨が折れる。ビルドプレートを取り出すことができれば、カプトンテープも張りやすそうだ。完成した造形物も取り出せれば剥がしやすいだろう。しかしながら、純正のビルドプレートはアームに固定されており、気安く頻繁には取り外すことができない。
サードパーティー製のアームとヒートベッドとの遭遇
Replicator2用にはMakerbot社のサイトにガラス製のビルドプレートが販売されている。だがこれはReplicator2Xでは使えない。Replicator2Xでガラス製のフラットなビルドプレートを使用したければサードバーティーの製品を使用することになる。Web検索で探しまくり、そして見つけた。
アルミアームと、取り外し式のガラスプレートを使ったビルドプレートである。とてもかっこいいではないか。2週間悩んだ結果、ポチってしまった。購入はPaypal決済のみである。納期は2~4週間と表示されていたが、4週間たっても発送されなかったので問い合わせのメールを送ると、発送された。アメリカからの発送なので到着までに1週間ほどかかった。注文から約一か月半かかってやっと手元に届いた。
アームとビルドプレート交換のための分解
部品が到着したなら、いよいよアルミアームと、ガラスプレートの取り付けにかかる。これには思った以上に大掛かりな分解が必要だったが、作業してみるとReplicator2Xの仕組みが今までよりちょっとだけ理解できるようになった気がする。分解できるということは、壊れたパーツのみの交換で修理ができるということだ。できるようになっておいて損はないだろう。
まずは、アームを組み立てを行う。ボールベアリングと3Dプリントされたパーツを組み合わせる。
それを、アルミアームにネジで止める。この時、ベアリングが左右に動く余裕を持たせるため、きつくは締めず仮止めにとどめておく。
Replicator2Xをひっくり返して制御基板たるマイティーボードを露出させる。写真がピンボケなのは、作業のスピード感を表すための演出である!手振れなどでは断じてない!
ビルドプレートのヒーターと温度センサーのケーブルも外しておく。
本体を起こして、ビルドプレートを上に上げておき、Z軸を動かすステッパーモーターを固定するネジを外す。
再び本体をひっくり返して、Z軸を動かすステッパーモーターを慎重に引き抜く。Z軸用のネジネジ棒もくっついてくるのでくるくる回しながらビルドプレートから引き抜く。
そして、ビルドプレートを摘出するのだが、どこから取り出すかというと、背面を外してごそっと取り出す。ケーブルを固定している結束バンドは切ってしまおう。止めているネジは素直に外す。そうすれば背面は簡単に開く。
ビルドプレートを支えるバーは下が抜けるようになっている。スポット抜いたら、あとはネジを外して分解してしまう。
アームと背面の固定具を付属のものに取り換えて組み立てる。この時、左のアームの背面の横は固定しない。説明書によると、Replicator2Xのアームを支えるバーは完全な平衡ではないため、左のアームに旋回できる余裕を持たせるための工夫であるとのことだ。
ここまで組みあがったら、アームがスムーズに動作するかどうか、スライドさせて確かめる。引っ掛かりがあるようなら、最初に仮止めにとどめておいたベアリングの位置を調節する。スムーズに上下できるようになったら初めてベアリングを本締めにしておく。
分解した手順をさかのぼって組み立てていく。この時にビルドプレートをアルミのプレートに置き換え、最後にY軸の終点センサーの台座を取り替えるため、左側の側面を開く。
詳細は省くが、最後の最後に底面のマイティーボードにビルドプレート用のヒーターと、温度センサーを忘れずに接続する。Z軸用のステッパーモーターも元に戻して、底面のふたを閉めれば出来上がりだ!
テスト出力
さっそくテスト出力を行ってみる。例のごとく、ハートを抱いた竜さんを出力してみる。
アルミの削った跡がビックリマンシールのヘッドのキラキラのようでわくわくする。かっくいい!せっかくなのでガラスプレートを取り出してみる。
ガラスプレートは左側が長くなっている。左右を間違えるとエクストルーダーに干渉してしまうので要注意だ。普段は台座に磁石で固定されているので出力中にずれる心配はない。取り出す時もロックを外したりする必要はない。とっても良くできている。注目の出力結果は!
写真では良く分からないが、一番左が購入直後のテスト出力、一番右がアルミアームに変更する前のテスト出力、中央がアルミアーム換装後の出力である。それぞれ出力の大きさが違うので一概に比較はできないが、すごくきれいに出たと思う。出力前の調整も一発でできた。分解再構築後、最初の出力が失敗せずに比較的きれいに出力されたのは幸先が良い。
しかし更なる精度の向上を目指して、次回はファームウェアの入れ替えを行った顛末を記事にしようと思う。ガラスプレートの説明書にバショウカジキファームウェアへの入れ替えを強く推奨するとの記述が見つかったからだ。だが、それはまた別のお話。
2 件のコメント!
2xをそこまで分解しようと思うと、結構大変なんですね。
でも、ここまでの改造に踏み切ったのは、照る照る坊主さんが日本初?ではないでしょうか。すごいです!
これからもカスタマイズ楽しみにしてます~。
頑張って分解しました!
無事に組み立てられてほっとしてます。
でも、一度やると案外単純な構造になってるんだと理解できました。
故障してもうろたえずに修理できそうです。