株安と円高が止まらない。景気が悪いのはいつからだろう。リーマンショックの時からか、サブプライム問題が騒がれた時からか。たぶん、バブル経済がはじけたときからずっとだと個人的には思う。小泉政権下で長く続いた好景気があったというが、その時給料は上がらなかったし暮らし向きが楽になったわけでもなんでもなかった。ホントに好景気があったのかどうか疑わしい。
今の状況はというと、EUではギリシャがデフォルト寸前でギリシャ国債を買い支えたフランスがピンチになっておりドイツではギリシャをこれ以上国民の税金で助けることに意義が噴出している。その裏で、経済規模の小さいギリシャより、イタリア、スペインと言った 経済規模がそこそこデカい大国も、実は大変な傾きようでこちらが本命でEU崩壊の危機が叫ばれている。
アメリカでも同様に、財政難に対してこれ以上無尽蔵に国債を発行できなくなっており、緊縮策も先送りを続け茶会派が本気を出せば、いつ短期デフォルトに陥っても不思議ではない状態である。
日本は言うまでもなく度重なる自然災害と原発事故、未成熟な為政による政治空白によって円高株安が止まらない。日本は国債の発行高がとても多いので、金利の上昇にとても弱い。下手に円安に誘導して金利が上がってしまえば即デフォルトに直結する。かといって、円高の現状は製造業の海外流出がとまらず産業の空洞化が進む。そうなるとアメリカやギリシャのような虚業によって経済を支えいつ破たんするかわからない国になってしまう。
そこで、満を持して野田政権が火曜日に発表した円高対策だが、その中身は補助金を出して苦しい製造業を支えるつつ、円高メリットを生かせる産業構造に変えていくというものだった。
これを見て、どうも胡散臭いなあと思ってしまった。政府は、この円高がもうすぐ終わり、やがてやってくる国債の暴落、円が紙屑になる円安、ハイパーインフレの流れを織り込もうとしてるように思う。だから近々に円高対策などする気は更々無く、時間稼ぎをしてるんじゃないだろうか。
そんなことを思った、台風一過の夜。