2015-03-24 18:55 by 仁伯爵

出力失敗と原因の考察1

 上記の記事たちを経て、やっとLittleRPによるテスト出力にこぎつけた。だが、吾輩のはじめての出力は失敗した。3Dプリンターは初回でいきなり成功させてもらえるほど甘くは無いのだ。そのあたりが一般に普及しない原因のような気もする。広く各家庭に一台となるにはもっと洗練される必要があるのだろう。ともあれ今回はどう失敗したのかというと、LittleRPのビルドプレートの上下運動と、プロジェクターから照射される光のタイミングがずれてしまっていたのだ。これが餅つきならば大変な事態だ。

 では、なぜそのようなことになったのだろうか。単純に設定が間違っていたのだ。”Configure Slicing Profile”で”Lift and Sequence”のあたりの設定値に問題がありそうだ。”Lift and Sequence Time(ms)”の値を”3900″にしていたのを、”Auto Calc”ボタンで自動計算させてみた。するととてつもなく長い時間になったので、”Z Lift Speed(mm/m)”を”100″、”Z Retract Speed(mm/m)”を”200″にしておいた。また、”Z Lift Distance(mm)”も”4″と短くしてみる。そのうえで、もう一度”Auto Calc”ボタンで自動計算させてみると5200msとなった。”Apply Changes”ボタンで変更を確定しておく。
LittleRP097
 続いて、”GCode”タブの”Lift”の項目ではじめに”<Delay>1000″の一行を入れてリフト1回ごとに1秒の間隔をあけておき、”Save”ボタンで変更を確定する。
LittleRP098
 これで、2回目の出力をするとプロジェクターとリフト動作のちぐはぐな挙動が解消された。

出力失敗と原因の考察2

 だが2度目の出力も失敗した。今度はどう失敗したのかというと、この通りだ。
LittleRP094
LittleRP095
 ビルドプレートに失敗作がくっついているだけ1回目よりも前進していると言えるだろう。失敗作をよく見ると、2つの大きな隙間が空いて3層に分かれていのが解かる。なぜこのような隙間が空いてしまったのだろうか。初回の失敗の時に硬化した破片が挟まって造形物の間の積層を阻害したのだろうか。失敗作をビルドプレートから剥がす過程で、一番下の隙間の所でぽっきりと折れてしまった。その様子がこちら。
LittleRP100
 隙間ができるまでは割ときれいに出ているように見えるその後、大きな塊ができている。その上を見てみると、文字のようなものが見える。目を凝らしてみると鏡文字で、”explore beyond limits”と書いてある。その下の大きな塊もよく見るとacerのロゴが左右反転しているように見えるではないか。これはプロジェクターに信号の入力が無いときに表示されるacerのロゴとキャッチコピーだ。そう、犯人はWindowsの省電力機能だったのだ。無操作状態が10分続くとディスプレイの電源が切れる設定になっていた。そのためプロジェクターに信号が送信されなくなり、困ったプロジェクターはacerのロゴを照射し、紫外線硬化樹脂は鏡で反転されたacerのロゴを描いて、リモートデスクトップで様子を覗いた辺りで信号が復活しているので3つの層が形成されている、というのが真相のようだ。ならば話は簡単、ディスプレイの電源が切れるまでの制限時間を無しにして、スリープまでの時間もこれまた無しに設定してやり直せばOKだ。

出力失敗と原因の考察3

 だがまた失敗した。今度はビルドプレートに造形物がくっつかなかったのだ。これは最初の初期位置にビルドプレートを持っていくときに、十分に下がっていなかったことが問題であった。ビルドプレートを開始位置にもっていくときは、ちょっとペトリ皿に押し付けるくらいでちょうどよい。気を取り直して再度挑戦だ。

出力成功と造形物の観察

 4度目の挑戦でやっとこさ出力に成功した。長い道のりであった。もう一度出力したモデルをおさらいしておくと、これを出そうとしていたのだ。


マウスドラッグで回転、shift+マウスドラッグ又はマウスホイールで拡大縮小






 そして、成功した出力物を見てみる前に、出力に成功した時の”Exposure Setting”の設定値を、示しておく。

  • Slice Thickness(mm) 0.0250
  • Exposure Time(ms) 3500
  • Bottom Exposure(ms) 8000
  • #Bottom Layers 10
  • Enable Anti-Aliasing 2.5

 お待たせしました。成功した出力物をご覧いただこう。こちらである。
LittleRP101
 突き出たつのも4本とも綺麗に出ている。一番細い髪の毛ほどの角までちゃんと出力できているのが驚きだ。
LittleRP102
 横から見ても積層跡がほとんどわからない。見事である。
LittleRP103
 でっぱりは綺麗に出せるが、一番小さな穴は潰れてしまって貫通していない。また、一番右側の一番細い溝も少し埋もれている。これは、液体樹脂を使うので硬化していない樹脂が毛細管現象によって隙間に入り込んでしまうためだと思われる。細い隙間の造形などは液体樹脂を使った光硬化方式は苦手なのかもしれない。とはいっても熱融解積層方式よりはよほど細かく出せている。

最後にちょこっとサイズ調整の話

 今回出力したキャリブレーション用のモデルは、X軸方向に25mm、Y軸方向に15mmが正しいスケールである。だがサンドイッチ状になった失敗作のサイズを測ってみると、以下のとおりである。
LittleRP104
LittleRP105
 意図したスケールよりちょっと小っちゃいのだ。これは調整の必要がある。CREATION WORKSHOPの”Configure”を選択し、”Configure Machine”をクリックする。そして”Build Size (mm)”欄の”Adjust”をクリックする。”Build Size Calibration”のウィンドウが上がってくるので、”Model Size(mm)”で、”X Size”に”15″、”Y Size”に”25″を入力し、”Measured Size (mm)”に計測した実績値の”X Size”が”13.24″、”Y Size”が”22.43″を入力し、OKボタンをクリックした後に、Applyボタンをクリックして変更を確定する。そうすると、最初72.00×41.50だった設定値が、63.552×37.2338へと小さくなっている。照射される領域を小さく認識することで、造形物が大きく出力されるように調整されたと言う事だ。X軸とY軸はプロジェクターの配置やレンズの調整具合で照射されるの大きさが各自それぞれであろうから、このように各環境に合わせて調整していく必要がある。Z軸はネジとステッパーモーターの回転の精度を信頼するほかない。
LittleRP106
 これで出力した造形物のサイズが、こちら。
LittleRP107
LittleRP108
 今度はでっかくなっちゃった。なぜこのような誤差が生まれたかというと、失敗作を測った時はノギスの先っちょで測っており正しい測り方ができていないとか、ビルドプレートのペトリ皿との平衡調整がうまくいっておらず造形物がいがんでいるとか、いくつか原因が想定できる。しかしながら、また同じ手順を繰り返していけば、誤差は小さくなっていつかは納得のいく誤差のうちに収めることができるだろう。

 最初の成功例に到達できたことで、ひとまず完成品を出力できるという自信がついた。これからこの高精細な出力を使ってあんな物やこんな物が出力できるだろうムフフ。実際に出力できるのは6cmx3cm位の小さなものになってしまうが、これから3Dデータの作成スキルを養って色々やってやろうと思う。皆様なら何を作るだろうか。

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