ハンドスピナーブームの終焉と主軸の破損
先日、10円玉を重りとしたハンドスピナークルクるんを作成し、Blog記事としてアップした。その後大好評をいただいている。その一方でハンドスピナーブーム全体としてみると夏休みも終わりを迎えると同時に、ハンドスピナーブームなんてものが本当に存在していたのかと思えるほどにさっぱりと世間からその姿を消してしまった。ブームは終わっても、我が手元のハンドスピナーは気持ちいいので読書をしながら、Twitterのタイムラインを眺めながら、ネットのストリーミングでアニメを見ながら、いつでもどこでも回り続けている。だんだん扱いに慣れてくると勢い良く回すコツもつかめてきて、回転が日に日に激しいものとなっていき、ついにボールベアリングと持ち手を支えていた主軸が折れた。前回の記事では外径10mm 幅4mm 内径4mm以上のベアリングで作ることをお勧めしたが、外径10mmのベアリングでは、内径が4mmのものより3mmのもののほうが強度が高く安定するのだ。キチキチにはめて使うので外径と内径の差が少ないベアリングを使うとゆがみがでて回転がカクカクになってしまう。よって内径3mmのベアリングを使っていたのだが、そうすると軸が細くなり、このようにぽっきりと折れてしまうのだ。少し見にくいが、一番右が折れる前の状態。真ん中が軸が折れた状態。一番左が無残にも折れた軸である。
3Dデータが手元にあり、折れたら3Dプリンターでいくらでもスペアが出力でいるとはいえ、こうポキポキ折れると心もおれる。改善が必要だ。
ねじねじ大作戦
ベアリングの内径が3mmなので、主軸をM3のネジにしてしまえばいい。軸が金属ならさすがに折れまい。M3皿ネジとM3ナットを使って止めるようにデータを修正してみた。
M3の皿ネジと、M3ナットを埋め込んだ持ち手のトレイに、裏側にはネジの頭が収まるように座グリ穴にしてある。これを組み立てるとこんな感じになる
これで折れることはなさそうだが、銀色のネジ頭が露出しており、なんだかかっこ悪いなあと思った。金属はコインの部分だけにして後はプラスチックだけに見せるのがいいのではないか。となるとネジの頭は隠したい。
頭隠してネジ隠さず
回すときにはつまんで両側から圧迫しながら使うので引っ張り耐性はあんまりなくてもよいのではないか。トレイの内側に六角の穴を作ってM3ナットをはめ込むだけのバージョンも作ってみた。
六角の穴が開いたトレイに六角ボルトをはめ込んで、その間をネジ頭のないM3ネジ棒でつなぐと頭が見えない!M3ナットもぴったりとはめ込まれているので簡単には外れない。
ついでにベアリングも交換
さらに、ついでにボールベアリングもシールドタイプから摩擦の少ないシールド無しの開放型に変えてみる。NSK社製でものすごくなめらか。左に映ってるのが今まで使ってたシールド型、はめ込んであるのが交換した開放タイプ。
最後に先ほどのネジでぐりぐり留めて完成!
今回ベアリングを交換したことで摩擦が減り、軸をネジにしたことでぐらつきがなくなって回転が安定した。その結果、クルクるんロングタイプで回転時間が2分弱から5分強にまで大幅に伸びた。さらに、思わぬ副産物として軸をネジ式にしたことで、クルクるんロングバージョン、ショートバージョン、ベリーショートバージョンの3つと長いネジを使って3連スピナーなども容易に構成できるようになった。3連にするには25mmのネジがちょうどよかった。
回すとまるでデコレーションケーキのよう。素敵☆
ご参考までに、ネジ式の持ち手トレイのSTLファイルへのリンクを置いておく。クルクるんの3Dデータをご購入いただいた皆様はこれを使用し、M3ナットとM3ネジ棒を追加することでクルクるんをねじ式にアップグレードできるだろう。ブームが過ぎてもハンドスピナーの気持ちよさは色あせることがない。これはいいものだ。