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映画評
2011-11-27 1:37 by 仁伯爵

UN-GO episode: 0 因果論 トークショーに行ってきた。Twitterのタイムラインに流れてきたトークショーのお知らせに會川昇の文字を目にしたからだ。UN-GOは何気なく毎週見ていたが、會川昇氏の脚本だとは、知らなかった。妙に政治的な内容の中に、学生運動的なにおいが漂うのはその為だったのか。

私にとって會川昇氏と言えば、TVアニメ「南海奇皇 (ネオランガ)」の原作者である。氏が脚本を担当した回の、小説からハッとさせられる一節を抜き出したようなナレーションは、他の脚本家の回とは明らかに違っていた。それから忘却の彼方にあったその名前を、Twitterで不意に見つけて思わずチケットを買ってしまったのである。あの文章を書く人物がどんな人か、見てみたいと思ったのだ。

19:30から通常通り映画の宣伝がながれ、本編が上映された。episode: 0とのタイトルからわかる様に、TVシリーズの前日譚である。
外国で自分探しをする若者たちが、火を囲んでギターを弾いて「セーラー服と機関銃」や、「あの素晴らしい愛をもう一度」などを歌うシーンは70年代を思わせる演出で、現代の若者はしないだろうなぁと思ってしまった。ラストで主人公が受け取る住民基本台帳の年代が2008年だったことを考えると主人公たちが自分探しをしていたのは、90年代以降だと思われる。あえて時代を外した演出で学生運動時代の学生の空気感を入れたかったのだろうか。

會川氏によると洞窟の中で、倉田由子が因果となる前に歌い真犯人との対決時に主人公が歌う、「少年期」と言う歌はドラえもん のび太のリトルスターウォーズの為に武田鉄也氏が書いた曲で「脚本に仮に”このような歌詞の曲”と入れた所その案がそのまま通った」との事だ。
二人が歌う「僕らはいつごろ大人になるのだろう」「どうして大人になるのだろう」と言う歌詞は、「二人が大人でないと言う事では無く、こうしたサブカル的なものを取り込みながら大人になっている」と言う事だそうだ。

作中でTVシリーズの6話から登場している別天王と言うキャラと、因果のルーツがかつて日本の武士が海外に兵を出した際に持って行った神仏が、死んだ兵と共に置き去りにされ眠っていたのを主人公達が起こしてしまった、と説明がなされている。これは、南の海からやってきた神様が日本で騒動を起こす「ネオランガ」とどこか似ているような気がした。

因果はミダマを食むことで人を殺すが、瀕死の主人公の命を助けたことから殺さずに食む事が出来る事が分かる。そしてその方法は、人に一つだけ質問をして強制的に真実を語らせる事であると白状させられる。主人公は、因果にミダマを食ませるために、より大きな嘘を見つけ
因果はミダマを食むためにその嘘を暴く。因果は不完全に覚醒したため、倉田由子の死体を拠所として再利用しているが嘘を暴く質問をする為には、倉田由子の姿に戻らなければならない。會川氏によると「大きくなった因果の姿にパンダみたいに黒い部分があるのは死体を再利用しているので腐ったり良くない部分があるから」らしい。

対して、別天王は特定の人物の言葉を聞いた人に、その言葉が真実であると認識させる事が出来るが、事実を変えられるわけではない。因果の目的は、ミダマを食む事だが、別天王の目的は明らかになっていない。そのあたりが今後のストーリーのカギになってくるのだろうか。

因果は中途半端に覚醒した悪魔で、別天王は完全に覚醒した神。嘘を暴く悪魔と、嘘を覆い隠す神。なかなか皮肉な二項対立になっていると思う。會川氏によれば、「風守と因果の力を持った主人公は、UN-GO世界では最強で、まあ大人の政治力を持つ海勝燐六を別にすれば、それに対抗できる力として別天王が登上して、これから推理バトルが加速していく」との事だった。

あと、海勝燐六役の三木氏は、色々紐的な物が出たズボンにグラサン帽子をかぶって、なんかファンキーな服装をしたオジサマだった。司会を勤めていた海勝梨絵役の山本希望氏は、ところどころで笑いを取っており、機転の利いたコメントのできる頭の良い人だと思った。

UN-GO episode: 0 因果論は2週間限定のレイトショー公開だそうである。

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