2020-08-23 2:32 by 仁伯爵

Replicator2Xの栄光と衰退

昨年、2019年7月10日、平成の終わりを見届けた後で我がMakerBot Replicator2Xが故障した。これまでいろいろな部分的な故障を経験し、そのたびに修理して生きながらえてきたReplicator2Xではあったが、今回はメイン基板が青白い閃光と共に焼けた。

綺麗な顔してるだろ?
死んでるんだぜ、これで

Replicator2Xは発売当時は2色刷りが可能で金属フレームでできているなど、家庭向けのデスクトップ3Dプリンターの中ではハイエンドに分類され高価な部類であった。しかしその栄光も長くは続かず、ヘッドが2つあることによる造形物への干渉などで造形難易度が高かったことに加え、後発の3Dプリンターが圧倒的低価格でどんどんと造形品質の向上を果たしていった結果、Replicator2Xはあっという間に時代に取り残された存在になってしまった。Replicator2X搭載されたMightyBoad Rev.Hは8bitのボードであったが今は3Dプリンターも32bitボードが主流の時代だ。かつてはネットにもReplicator2Xユーザーを多数観測することができた。今ではネットで検索してもReplicator2Xとネット検索してみても、引っかかる記述は数年前の記事が多く、最近書かれたものを探すのは年々難しくなっている。そこに来てMightyBoadの故障である。Replicator2Xの時代は終わった。Relicator2Xはこのまま天に還すべきか。

Replicator2Xの不屈

しかしReplicator2Xは死に絶えてはいなかった。中国のeコマースサイトであるali expressでReplicator2Xというワードで検索するといまだにたくさんのパーツがヒットする。ここで売られているパーツの数々が、今まで我がReplicator2Xを故障から度々救ってくれた。樹脂パーツが壊れた時はアルミ製のより頑丈なパーツが売っている。もしかしたらReplicator2Xのクローン製品に使われているMightyBoardも売っているのではないかと期待したが、残念ながらなかった。

MightyBoardそのものは無かったが、3Dプリンターを自作する用の基盤が売られており、それらを使うことでReplicator2Xを再び動かすことができそうだった。ali expressには本当に何でも売っている。3Dプリンターの基盤も選択肢が沢山あり、その他のパーツも全部揃う。売られているパーツをかき集めて組み立てるだけで3Dプリンターの自作が可能だ。そして安い。今回必要だったのは、メインの基板と、ステッパーモーターのドライバー、そしてこまごまとした配線だが、全部買っても1万円そこそこで揃ってしまう。それらのパーツと、オープンソースのMarlinファームウェア、3Dプリンタメーカー製じゃないサードパーティー製のスライサーソフトウェアをそろえれば、中身の電子部品をごっそり入れ替えてしまってもReplicator2Xを蘇生させることができる。Replicator2Xは死なぬ!何度でもよみがえるさ!

代替部品の選定

数ある選択肢の中から、メインの基板にはBigtreeTechのSKR Pro v1.1を使うことにした。実は、この前にSKR v1.4 turboで組もうとした。SKR v1.4 turboにはLEDの端子があらかじめ用意されていてご機嫌だったり、v1.4との名の通り繰り返しバージョンアップされて不具合が修正されており安定していることが期待できた。だがしかし、回転数が制御できるRPMファンの端子が1つしかなかったため使用を断念したのである。Replicator2Xはエクストルーダーが2つあるので、そこで2つ、造形したパーツを冷やすファンが1つの計3つのファンの回転数を制御したかったのである。

SKR Pro v1.1はエクストルーダー3つまでつけられるようになっている。モータードライバーも、温度計も、ファンも3つまでつけられるように端子が用意されている。Replicator2Xはエクストルーダー2つなので、1つ余ったRPMファンをパーツ冷却用として使うとちょうどいい!今回買ったのはSKR Pro v1.1だったが、いまはv1.2が発売されている。

モータードライバーはTMC5160を使ってみることにした。TMC5610は波長を制御してノイズを低減できる謎技術を搭載したTMCの比較的新しいチップである。TMC2280などが良く使われているが、ここはあえて新しものに手を出したくなる悪い癖が出た。発熱が抑えられているという話も購買欲をくすぐった。なんかパーツを集めていると新しいものに手を出したくなるのが人情なのだ。

後は、LCDディスプレイはBigtreetech TFT35 V3.0を使用する。最初はBTFT35 V2.0を購入していたのだが、つなぐ端子を間違えてBTFT35 V2.0をバーべーキューのように焼いてしまったがために買いなおしてのBTFT35 V3.0である。写真は焼かれて死亡する前のBTFT35 V2.0だ。成仏してほしい。

電源はLRS-350-24を使用した。SKR Pro v1.1は12Vと24Vの入力に対応している。容量はビルドプレートを温めるヒートベッドのヒーターが一番電気を食うと思うが、もともとのReplicator2XのACアダプタが240Wくらいだったので、350Wもあれば多分充分だと思う。たぶん。白い線がコンセントからの入力で、赤と黒がSKR Pro v1.1への出力である。

SKR Pro v1.1側の電源入力はこんな感じにする。ヒートベッドとホットエンドの電源入力が独立しており安心設計だ。真ん中の空いているところは入力ではなくヒートベッドベッドへの出力用となっている。

MightyBoardには電源スイッチがついていたが、SKR Pro v1.1にはスイッチがついていない。コンセントを抜き差しすることで電源のONとOFFを切り替えていたがさすがに不便だ。なのでこれを購入した。これを使うと、コンセントにPC用の電源ケーブルうことができる。さらにスイッチがついてるのでこれで電源のONとOFFがいくらかスマートに切り替えられるようになった。

電源をつなぐ前に、基板の設定をする場合、このピンをUSB側にしておくとUSB端子からの電源入力で基盤を起動できる。

逆に、電源装置からの電源供給で起動する場合は、IN側のピンをつなぐ。

Replicator2Xの分解

この基板をReplicator2Xに組み込んで接続していくわけだが、そのためにはまずReplicator2Xを分解していく必要がある。これまでビルドプレートを入れ替えたり、X軸、Y軸のキャリアを入れかいたりしていて散々分解組み立てをしてきたので慣れたものだ。分解しなれた機械は所有しているという実感がモテて好きだ。壊れても治せるというのは自分の物であるという感覚がもてる。いろいろなものがハイテク化していく中で、これほどまでにユーザーに改造を許すハイテク機械はもうあまりなく、これからどんどん減っていくのだろう。だからこそ、分解と改造を許してくれるReplicator2Xが愛おしいのである。

MightyBoardとReplicator2Xの接続には専用のワイヤーハーネスが使用されているので流用できない。

なので全部外してしまうことにする。ところどころ結束バンドで止められているのでニッパーでバチバチ切りながら外していく。

ヒートベッドの接続は、ワイヤーハーネスが流用できそうだったので先っちょの端子を切り取って、圧着してちょうどいい端子に付け替えて流用した。緑と白の線が温度計測用の熱電対で、赤と黒がヒートベッド用の電源入力である。

これを……
こうじゃ!!!

X軸、Y軸、Z軸のエンドストップスイッチはバリバリ機能していてそのまま流用してもよかったのだが、端子のハウジングを探すのがめんどくさかったのでJSTがそのまま使えるエンドストップを買いなおした。端子が違うだけでほぼそのままのコピー品である。

続いて、ステッパーモーターだが、モーター側は6pinで、メイン基板側が4pinとなっている。Replicator2Xで使用されていたモーターはMoon’s stepper Moter 17HD4063-03Nだ。1ステップの角度が1.8度で、一周に200ステップのモーターだ。ali expressで購入したケーブルではピンのアサインが違うみたいでうまく動かなかった。ステッパーモーターは消耗品だと風のうわさで聞いたことがある。Repliator2Xを購入して7年間酷使したのでこの機会に全部入れ替えてしまってもいいかもしれない。いざというときの交換用にと買っていた17HS3401をつないでみたらうまく動いた。

Z軸のモーターもスクリュー付きのモーターを買いなおしてみた。最初は30mmの17HS4401S-T8x8-300を買ってみたが、長すぎた。左が純正のモーターで右が今回買った17HS4401S-T8x8-300だ。スクリュー部分は8mm径でピッチが2mmの4スタートだ。

その後、スクリュー部分が28mmの17HS3001-280-TR8*8を買いなおした。こちらは写真を撮るのを忘れた。

あと、忘れてはいけないのがLEDだ。Repliator2XにはLEDでぴかぴか光る機能が付いていた。これを引き継がずにReplicator2X復活の名乗りを上げることはできない。WS2812B Black PCBの60 IP30 でいくことにした。

Replicator2Xの純正のLEDはRGBでいろんな色が出せたが、全部一斉に切り替わるのみだった。今回使うWS2812Bはneo PixelでLED一つ一つを制御できるようになっている。ファームウェアのMarlinでneo Pixelを指定しておけば、ヒートベッドやホットエンドを温めているときにプログレスバーのように光らせることが可能なのだ!カッコいい。

純正のLEDは18個ついていた
新しく20個にパワーアップ!

これら基本的なものを組み付けて、ハードウェアのあれこれを済ませてソフトウェアの設定へといければスマートなのだが、試行錯誤しながらソフトウェアでピンがどのように認識されてるのか等々、Marlinさんと相談しながらおっかなびっくり作業を進めていくことになる。だがそれはまた次回のお話。とりあえず、今日はここまで。次回を待て!しかして希望せよ!

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