Blackberry OS10のバージョンアップが待ちきれない
大手携帯キャリアの囲い込みからの脱出を成功に導き、今日の快適な携帯電話ライフを支えてくれているBlackberry Q10だが、我が手元に来た時のOSのバージョンは、10.1であった。購入直後にOSのアップデート通知が降ってきて、10.2へアップデートし、日本語入力ができるようになったのは先の記事で述べたとおりである。その後、この2月ごろから10.3へのアップデートが順次配信され始め、10.3のレビュー記事がちらほらとネット上に上がってくるようになった。しかし、我がBlackberry Q10
には、待てど暮らせどアップデートの通知が配信されてこない。[システム設定]→[ソフトウェア更新]のメニューから更新の確認を行っても、「最新のソフトウェアがインストールされています」という心無いメッセージがむなしく表示されるのみである。
それならばと、Blackberry LinkでPCとBlackberryを無線LANまたはUSBケーブルでつないで更新を確認すると、なんと「お使いのBlackberryで利用可能なデバイスソフトウェアがあります」と表示されるではないか。
しかし、表示されるはずの更新を実行するためのボタンが表示されず、途方に暮れた。これは推測にすぎないが、おそらく公式で発売されていない日本で運用していることが問題となっているようだ。すべて日本語で利用できるのに、この仕打ちは悲しい。
Sachesiによるアップデート
OTAでのアップデート通知が降ってこず、公式アプリを使用PCに繋いでも更新ボタンが表示されないからと言ってあきらめるわけにはいかない。常に最新のソフトウェアのバージョンで運用することは、セキュリティーの基本だ。例えそれでバグにぶち当たろうとも、やらねばならんのだ。そんな環境でもアップデートするための手はまだある。Blackberry Centralにそのような記事を見つけた。
これを使って10.3の世界へ羽ばたこう。
Sachesiの実行
GitHubからSachesiのzipをダウンロードして解凍し、Sachesi.exeを実行するとSechesiが立ち上がってくる。
デバイスのパスワードを入力してBlackberryとPCを接続する。SearchタブをクリックしてShow Settingをクリックしてみる。
Whitelist SettingsのCountryとCarrierを設定して、各キャリアように設定されたソフトウェアを選ぶことができる。国別コードとキャリアコードは以下のリンクで確認できる。
この表に従って、今回使用しているDocomoのコードを入れてSearchボタンをクリックしてみたが、検索結果が0件となった。まあ、Blackberry Q10はDocomoからは発売されていないので当たり前と言えば当たり前だ。How To Install OS 10.3.1 On Your BlackBerry 10 Device Using Sachesiでは、Country 510 、Carrier 010 をお勧めしているが、今回はデフォルトのままCountry 302、Carrier 720でインストールしてみた。右下のDownloadボタンを押して、アップデートするソフトウェアをPCへダウンロードする。その後、installタブへ移動し、Install Folderボタンでダウンロードしたフォルダーを指定してインストールすると、晴れて10.3へアップデートされる。アップデートには1時間~2時間程度かかったと思うが記憶は定かではない。とにかくのんびり待つことが肝要だ。
Blackberry OS 10.3の世界
こうして晴れてOS10.3になったら何が違うのかというと、UIの色が黒ベースから白ベースになってスッキリ明るい印象になっていたり、アイコンの並びが、4列×3行になっていたりと、全体的にUIが洗練された印象を受ける。また、日本語にしたときに中華フォントになってしまう箇所がだいぶ減ったように感じる。メールでは 日本語フォントの割合が増えたように思えた。しかしまだまだなぜか根強く中華フォントが残っており、UIの完成度を低く感じさせる要因となっているが、日本では発売されていない端末なのでその辺は仕方なく、日本語表示できるだけでもありがたいと思わなければならないのかもしれない。
一番インパクトが大きそうなのが、標準ブラウザーでFlashが使えなくなったことだ。10.2までの標準ブラウザーでは、Flashプラグインを有効にするかどうかの設定項目があったが、10.3ではFlashが含まれなくなったようだ。世のFlash離れは加速するばかりだ。艦隊コレクションなどをプレイしている人は注意が必要だ。
また、Androidアプリの起動率は大幅に上がっているようだ。Android版Firefoxをインストールして起動しようとすると、10.2の場合は10回に1回ほどしか起動に成功しなかったが、10.3ではほぼ100%起動できる。10.2の時に起動できないと諦めたAndroidアプリがあったなら、10.3でもう一度試すと起動できるようになっているかもしれない。Googleマップや、Kindleも問題なく使用できた。Androidアプリの起動機能の安定度は格段に増していると感じた。
Googleアプリ関連ではAmazonアプリストアがプリインストールされるようになったが、GoogleプレイストアからインストールしたKindleアプリにAmazonアカウントでログインしていれば、自動でそのアカウントでログインするように即してくる。KindleアプリとAmazonアプリストアは裏で情報のやり取りをするようにできているようだ。別に実害はないが気持ち悪い。やはりAmazonアプリストアではアプリの種類も少ないのでGoogleプレイストアをインストールするのがイイだろう。
その他にもBlackberry Blendなどの新機能が追加されているらしいが、そのような便利ソフトはあまり興味が無いので試していない。Blackberry Linkもソフトウェアの更新に使えないことが分かったのでアンインストールしたいと考えているくらいだ。SMBのファイル共有があればそれでいい。PCと携帯電話をペアリングなんかしてもいいことなんて何もないのだ。
また、これはOSのアップデートと関係あるかわからないが、OSのアップデートと時期を同じくして4Gをつかむようになった。もしかしたらこれは、Docomoが頑張って東名阪バンドの基地局を増やしたことに起因するのかもしれない。どちらにしろLTEが使えるようになったのはとてもうれしい。PCにUSBケーブルで接続してテザリングしてみると、3Mbps位のスピードが出ている。うちのNTT西日本のフレッツおそぶさ1Gが500Kbpsしか出ていない時間帯に、LTEが代用できるかもしれないが、b-mobileのLTE無制限プランだからと言って使いすぎると制限をかけられそうなので何とも言えない。日本のネット環境は制限が多くていけない。固定回線とおなじようにモバイル通信を出先で行おうなど夢のまた夢なのだ。
これではれて目出度くOSのアップデートができた。安定性があがっていい感じだ。これで後10年は戦うつもりで運用していこうではないか。