今年2度目の神社参りとかつてない御神籤
先週、機動戦士Gundam GQuuuuuuuX -Beginning- を見てきた。最初の効果音とBGMが流れたところで、「うわ!これは!」と度肝を抜かれたが、洗練されたガンダムオタクは配給が松竹じゃなくて東宝である時点で身構えていたらしく、歴戦の猛者のすごみを感じた。前半はものすごく面白く、後半は面白さ半分、脚本の不安半分といった感じで楽しんだ。フリクリでもエヴァQでもやった指令室や艦橋でチャラい会話をするあのノリ、マヴを執拗に連呼するくどさ、そのあたりがどうしてもむずがゆくてしんどい。でも、それをカバーして有り余る話の面白さがある。あの気持ち悪さだけどうにかして解毒してほしいなぁなどと思いながら、帰路に就いた。
その帰り道で神社に立ち寄った。私自身、あまり信心深いほうではないが、三宮に出たときは生田神社にお参りすることにしている。繁華街の中に突然現れるあの空間がなんだか好きなのだ。賽銭を入れて、お参りをして、おみくじを引いて帰るのが習慣になっている。初詣で中吉を引いてから2週間程度しかたっておらず頻繁に引きすぎな気もするが、縁起ものなので今回も運試しにと引いてみたところ、なんと大吉だった。しかも今回の大吉はいつもの大吉とは一味違った。いつもの大吉とは以下のようなものである。

それが、今回の大吉はこの通り!巫女さんから受け取った瞬間、分厚さがいつもと違うことに気が付くほど、この大吉は紙からして質が違う。

裏もなんとキラキラなのである!ララァとシャアが見た光景とは、アマテ・ユズリハ(マチュ)が言うキラキラとは、これのことなのでは!?とすら思える。刻(とき)が見える……。

神社で引いたおみくじは、境内にあるおみくじ結び場に結んで帰るのが相場である。おみくじの内容が悪かった時は利き手と逆の手だけで結ぶ苦行をすることで、悪い結果をチャラにできるというならわしもある。逆にいい結果が出たときは持ち帰って大切に保管しても良い。私は今まで引いた直近の大吉は財布の中に入れている。なんだか縁起がいい気がするからだ。
今回引いた大吉も、もちろん持ち帰った。いつものペラペラの大吉のように折りたたむのももったいない。GQuuuuuuXの劇場版パンフレットにはさんで折り目がつかないように持ち帰った。持ち帰ったあとも、大切に額に入れて飾ろう。そう決めた。
額をめぐる逡巡
額に入れて飾るにしても、普通の額に入れると裏のキラキラが見えなくなってしまってもったいない。刻が見えなくなってしまう。裏が見える額がいい。透明な板で両側から挟むタイプの写真立てみたいなのがいい。こんな感じの。

おみくじのサイズは縦の長さが25cm、幅が5.85cmの細長いサイズだ。B5サイズ用だと長辺が25cmを超えるのでちょうどよさそうだ。でも、幅が大きすぎて余白がでかすぎる気がする。なにせおみくじは細いのだ。細長いのだ。おみくじを飾るのにぴったりの都合の良い製品など売っていない。それはそうだ。おみくじを額に入れて飾ろうなどという需要が商業的に成り立つほどにあふれているとは思えない。世にないのであれば、自分で作るしかない。
ディスプレイスタンド自作に係る材料の調達
透明な分厚い板で挟む形のディスプレイスタンドを作りたい。ガラス板で挟んだらとてもきれいにできそうだ。だが、ガラスは加工が難しい。割ってしまうと鋭利な破片がたくさん発生し容易に人間の皮膚を切り裂く。怖い。今回は、ガラスの代わりに加工がしやすく透明度が高いアクリル板を使うことにした。厚さ3mmのアクリル板をちょうどいい大きさにカットし、おみくじを前後から挟む作戦だ。
ちょうどいいサイズとはどのくらいか。縦297mm x 横210mmのA4サイズの板1枚を半分に割り、縦297mm x 横105mmの板2枚にするのがちょうどよさそうだ。1回カットするだけでよいのでアクリル加工初心者の私でもできそうだ。

アクリルのカットには、レーザーカッターなどのCNC機器があれば簡単なのだけれど、残念ながらうちにはないので、アクリルカッターを使う。これで何度もアクリルを削り、半分以上削ったところでパキっと割ることでアクリルを好みの大きさにカットする便利道具だ。

でっかい板をまっすぐに切るには、でっかい指金が必要だ。これが一本あれば何かと便利。日常生活で直角を出したい局面というには意外に多い。

挟むには、市販されているアクリル写真たてを見習って、アクリル板の四隅に穴をあけ、ネジで止める構造にする。こういう飾りネジをシカゴスクリューというらしい。また一つ賢くなってしまった。金ぴかのおみくじの色味に合わせ、金色のネジにしてみる。

シカゴスクリューの棒部分の外径は4mmなので、4mmのドリルピットが必要だ。アクリル専用のもあるらしいが少々高い。

今回は、サイズもいろいろで違うシカゴスクリューに換えたいときなんかにも穴を拡張できるのではないか、そんな意図もあり金属、アルミ、樹脂用の安い奴を買ってみた。これなら短いのでドリルガイドなしでも穴が斜めになりにくいのではないか。

これを、大昔に買って長年愛用しているBoshの電動ドライバーで使う。ボール盤などがあればまっすぐに穴があけられるのだろうけれど、残念ながらうちには無いのだ!

これで材料がそろった。あとはやるのみだ。いざ。
アクリルとの死闘
そして、用意したA4サイズ、厚さ3mmのアクリル板がこれだ!

おみくじもちゃんと収まりそうだ。これを先ほどの指金とアクリルカッターで真っ二つに切る!

えいや!

何度も何度も線をなぞり、力を入れすぎて線をずれて盛大に木津をつけてしまったりしたが、何とか寸法通りに真っ二つにできた。こいつに、1.5cm内側に線を引いて四隅に4mmの穴をあける。

2枚の板を養生テープでぴったりと張り付けていっぺんに穴をあけることにした。こうすることで工作精度がガバガバで穴の位置正確じゃなくても、2枚をねじ止めしたときにきれいに重なるって作戦だ。行くぜ!

穴の出口の部分がちょっと砕けてしまった。ドリルが貫通に近づきアクリルが薄くなったときに上から押し付けすぎててはがれてしまったのだと思う。アクリル専用ドリルだときれいにできたのだろうかというとやっぱり押し付けすぎてたら同じことになったのではないかと思う。

ともあれ、目的のサイズに切り四隅に穴もあけられたので、あとは組み立てるだけだ。
堂々の完成!
ここで初めて保護シートをはがし、おみくじを挟んで、四隅をシカゴスクリューで止めた形が、こちら!

右の下側に盛大にでかい傷がついていたり、挟むときにアクリルの削りカスがたくさん挟まっちゃってたり、おみくじが偏ってたりする気がするけれど、初めてにしてはうまくできたのではなかろうか。

裏からもちゃんとキラキラが見える。このキラキラを見ていると、ビックリマンシールのヘッドにワクワクしていた感覚がよみがえる。ノスタルジー。アクリルはずっしりとした重さがあっていい。プラスチックだと軽すぎる。ガラスだと落とした時に割れそうで怖い。落としても割れないアクリル板はとてもいい。だが傷がつきやすいのであまり触らないようにしなければならない。右下のでっかいひっかき傷に関しては、コンパウンドで磨いて何とかしたいというのが積み残しの課題として残ったが、思ったより旨く行った。満足である。
後日談:気になってた傷を削り取る
やっぱり盛大についたこの傷を何とかしたい。透明なので背景に紛れ込んで目立たないことが多いのだが、やっぱりここに傷があると知っているという状態は精神衛生上よくない。

これを消すにはどうすればいいか。ざっくり荒いやすりで削って、細かいやすりで削って、コンパウンドで磨くときれいになるはずだ。

今回はアクリル用研磨剤を買ってみた。

まず、粗めのやすりで傷が浅くなるまで削る。

次に、細かいやすりで傷がやすりでついた傷に交じって分からなくなるくらいになるまで削る。

その後、アクリル研磨剤をつけて柔らかい布でひたすら磨く。アクリル研磨剤はとても臭い。これは体に悪い。換気の良いところであまり吸い込まないようにしたい。体に悪いなぁと思いながら頑張って磨いた結果がこちら!

見事に傷が消えた!傷が消えたらほこりが気になるが、アクリルは静電気を帯びやすく無限に誇りを吸着するのでこれをきれいにするのはお部屋を掃除しなければ無理だ!写真で気になるほこりも、肉眼で見たらあんまり気にならない。それどころか、写真だと安っぽいアクリルの質感も、実物だと迫力があって写真で見るよりきれいなのである。
これでとりあえず完成とし、タコひもで吊るして壁に飾ろうかと思っている。ネジのところに長い棒をつけて机の上に飾ってもいいかもしれない。差し当たって、どこに飾るか決まるまで、カレンダーのフックと同居してもらうことにした。

ただアクリルを切って、穴をあけてネジで止めただけでこんなに充実感を得られる。次回からはアクリル板のコストだけで写真たてが自作できる体制ができた気がする。この経験をもとに、これからはいろんなものをアクリル板で挟んで飾っていこうと思う私なのであった。